祈・再復活 大地のくろがね No7

95.11,02 小沢−倶知安 回9262レ
いよいよ最後のとなる前日、鉄道友の会のチャーター列車が設定された。回送となる小樽発
の上り列車を倶知安峠で狙う。前日の夜に降り始めた雪は倶知安峠では積雪となった。天気
は雪が降ったかと思うと晴れ間が広がる、めまぐるしい天気だ。そしていよいよという時刻にな
ってもシロニクにはやって来なかった。「来ない!どうしてだ」廻りの顔にも焦りが見えた。後で
知った事だが216kp近くで空転して退行したのだった。「もう、帰ろう!」そんな声が聞こえた
頃に小沢発車の汽笛が聞こえたかと思うと、雪が止んだ事に気が付いた。
そしていよいよ煙が見えたかと思うと晴間がどんどん広がりだした。「いける!」そんな声が
洩れる。いよいよシャッターチャンスと言う頃には太陽の廻りには雲がなくなり一段と明るくなっ
た。「フル露出でいける!」ビデオの人には悪いが渾身の声で叫ぶ。そしてここぞと思うところ
でモータードライヴを廻し続けた。
「やった!」列車の煙を遠く見ながら仲間と硬い握手をして、シロクニ最初で最後の雪景色を
ものにした。

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